2009/11/18 (Wed) 09:01
2009/11/17(火)19:00〜
@翔UPファクトリー
作:別役実 演出:松田泰基
別役の不条理に挑戦ということで、おもしろい企画だ。
同じ作品「場所と思い出」を、別の演出とキャストで2週間後にも上演するという。
なかなかこういった発想はあっても、実行できる劇団はそうそうないと思う。
さて、別役ワールドは特異な言葉のやり取りがあり、日本の不条理劇の代表格。
もともと私はこの劇団の芝居をみてきて、どちらかというと不条理劇を得意とする劇団と思っている。
そんな翔航群のメンバーたちは、この別役ワールドにそう違和感を感じない。
が、問題は客演である。
演技スタイルが違う役者たちを起用して、何か違和感を感じる。
そして、1時間少々の作品であっても、はじめのうちは話にぐっと引き込まれていくが、不条理特有というか別役特有の言葉あそびや、同じ展開の繰り返しに飽きてしまう。
それをどう飽きさせず、面白さに転化していくかが、演出の腕の見せ所。
2週間後の同作品にも期待しよう。
テーマ : 観劇・劇評 - ジャンル : 学問・文化・芸術
2009/09/14 (Mon) 08:16
2009/9/12(土)14:00〜
@愛知県芸術文化センター 小ホール
作:飯島早苗:鈴木由美 演出:土屋たかし
「オギノ式」という避妊法を一度は聞いたことがあるでしょう。
望まれる妊娠、望まれない妊娠、そのどちらも排卵日がいつ起こるのかを発見し立証すれば、女性たちの幸せにつながるんだと強い確信をもち、日々研究に没頭する荻野医師。
子供は神様が授けてくださるものなのに、人が作るものだと言うのか・・・。
そんな葛藤を抱えながらも、荻野医師は学会で研究論文を発表する。
そして、その後、それはローマ法王庁がはじめて認めた避妊法となる。人の神秘は不思議なもの。
厳格な宗教者たちは、子供は天からの授かりものとして、避妊は自然の摂理に反するとして認めない人たちが現にいる。
今では避妊というのは、女性の当然の権利でもある。
しかし、科学の進歩はどこまで神の領域に踏み込んでいいのか、倫理的にも問われる時代となってきた。
生体移植、クローン技術、脳死判定などなど。
この荻野医師が葛藤していた当時は、「避妊」ということすら、神の領域を侵していると言われていた。
ここに科学者の葛藤がある。
この作品では、そうした人間の葛藤と逡巡も描かれており、とても見甲斐のある内容だった。
小道具や衣装など時代考証をした方がいいと思った点はあったものの、各シーンで着物の早替えなど大変そうだなぁと思うほど、衣装転換は多かったと見えた。
蛇足だが、あれだけ着物が多いと、クリーニング代が馬鹿にならない。
目の玉が飛び出るくらい高額です、私にとっては(汗)
作品は筋がとてもよく書かれていることもあり、人物もとても面白く描かれていた。
荻野医師とその妻との夫婦ならではの会話なども、見所だった。
ずっと見てみたかった作品なだけに、期待を裏切らない面白さを感じ取れた公演だった。
テーマ : 観劇・劇評 - ジャンル : 学問・文化・芸術
2009/08/24 (Mon) 11:10
2009/8/23(日)14:00〜
@名東文化小劇場
作:鏡味富美子
演出:なかとしお
舞台は、ワーキングプアと呼ばれる失業者や住まいを失った人たちが集まるネットカフェ。
1畳半たらずの狭いスペースに身を寄せながら、それぞれが抱える事情を吐露していくといった内容。
そして、彼らのそうした不幸を食い物にしようとするネットカフェ店長。
彼らに「現金収入絶対、100%途中解雇ナシ、寮あり、まかない付き」という胡散臭い条件で、表向きには雇用といいながら、軍隊の一員に育てていくといった話。
テーマや話の内容としては、とても興味のある内容であり、私自身もワーキングプアになるかならないか、不安で仕方ない時期を過ごしたこともあったので、この作品が抱える大きなテーマは社会に訴えていくべきものだと痛感している。
そして、米国での貧困層たちの米軍入隊の実態を比喩したところは、考えさせられるものがある。
実際に日本においても、この大不況で職のないものたちが警察官や自衛官を希望するものが増えているというニュースを耳にしたことがある。
だから、こうしたテーマを芝居にするのはとても意義があることだと私自身も思っている。
ただ、正直いって演出の仕方があまりにも単調であり、また話の筋もあんなに楽天的に展開していいものだろうか疑問を抱かざるを得ない。
実際に秋葉原無差別殺人にいたっては、殺人そのもののより、その加害者の抱える社会的事情がクローズアップされたのも記憶に新しい。
あの事件は、恐らくそうした不満を抱えた人たちの氷山の一角。
第2・3の犯人が出てきてもおかしくない現実。
そうしたところにメスをいれる意図で書かれたこの作品。
しかし、テーマがあまりにも重過ぎて、しかも解決の糸口が未だに見つからない現実社会。
そうしたところで、ただ単に劇化しても面白くない。
登場人物の描写をもっと掘り下げて、ヒューマニティあふれる作品になればいいのだが、それも中途半端に留まっており、各人物の登場のさせ方も同じ繰り返しで単調。
そして展開が単純すぎて、先が読めてしまい、しまいには「頑張って生きていこう」という楽観な言葉。
希望ある結末を見たいとは思うのだが、その希望ある言葉に説得力がない。
現実が変わる、変えることができるという事実を劇中に入れないと、「現実は変わらない!」と思えて仕方がない。
どうしたら、このワーキングプアという現実を打開できるか、そこを観客は見たいのだと思う。
また、そうした暗い現実と対比するクラウンたちの使い方があまりにも中途半端。
クラウンたちのテンションや小児病棟を慰問して社会奉仕しているというものをドラマとして取り入れていないから、ただ単にクラウン集団の芸のお披露目になってしまっていた。
せっかくの子供たちの希望の光となるべき存在が、劇中の話とは浮いた存在になってしまっていた。
最後のカーテンコールで、「この芝居を、実際にワーキングプアな方々に観てもらいたかった」と言われていた。
果たして本心なのか疑問だ。
それならば、たとえば先日観劇したミュージカルRENTのように「ブレークスルーシステム」でも設けて、実際にそうした人たちへの配慮のあるチケットシステムを実施されていてもいいのではないだろうか。
仮にそれを実施し、ホームレスの人たちが押し寄せたら、きちんと受け入れる体勢はとれていただろうか。
たとえば何日も風呂にも入れず、野ざらしにされている人たちが同じ劇場という空間にいることを、観客をはじめ主催者たちが本当に受け入れることができていたか。
そして、何よりもそうした人たちがこの芝居を見て、希望が持てていただろうか。
私の拙い想像力では、恐らく彼らが見たら、「
そんな現実は甘くない!」と憤っていたに違いないと思う。
そうした意味で、あくまでもこの芝居はワーキングプアな人たちの立場から発した作品ではなく、リッチな人たちから発した作品であったのではないだろうか。
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2009/08/24 (Mon) 10:35
2009/8/22(土)14:00〜
@うりんこ劇場
作・演出=西田豊子
シェークスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフにしたオペレッタというか音楽劇。
絵本の話をそのまま劇場にあげたような舞台装置も印象的なものだった。
葉っぱや、木の模様をパッチワークにしたようなコラージュを全体的にこしらえたもの。
森のイメージがうまく出ていた美術だった。
そして、何よりもよかったのは音楽を生音で演奏していたこと。
効果音を打楽器などで処理し、役者たちがギターなどを演奏しながら、歌い演技していたのはとても感心した。
楽器になれていないと、演奏するのに集中するあまり演技が途切れたりしがちだが、その点はさすがだなと思った。
観客の子供たちの反応もとてもよく、会場が笑いに包まれていた。
喧嘩をする大人たちへの警告と共に、家族の絆というテーマで描かれたお芝居。
夏休みもあとわずかな子供たち。
夏の思い出の一ページになっていることを願いつつ、観劇した私だった。
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2009/08/24 (Mon) 10:19
2009/8/16(日)13:00〜
@オーチャードホール
原案・振付・演出:マイケル・ベネット
この名作を、劇団四季ではなく本場ブロードウェイ版を見ておきたいと思っていた。
何故なら、これこそブロードウェイミュージカルの代名詞ともいえる名作であり、ブロードウェイで活躍を狙う名もないダンサーたちのハングリー精神がなくては、この作品は成立しないと思っていたからだ。
ミュージカルを志すものたちは、経済的余裕がないと這い上がっていくことは至難の業。
クラシックバレエ、ジャズ、モダン、タップ、ボイストレーニング、声楽、そして演技。
多数のレッスンを日々鍛錬せねばならず、それに専念するにはアルバイトなぞしている暇すらないくらいだ。
だから、劇団四季の研究生たちはアルバイト禁止だと聞くし、しかも履歴書で経済的余裕のある家庭かどうか、もしくは前職が高収入な職種で貯金などがあるかを暗黙のうちに審査されているという噂もあるくらいだ。
そんな裕福な家庭環境で育ってきた役者が、コーラスラインをやっても説得力がない。
ブロードウェイにいる役者やダンサーの卵たちがどんな生活感をしているのか、また、どんな家庭環境で育ってきた人たちかは私は知る由もないが、確かに言えることは厳しいショービジネスの荒波に乗り越えてきた人たちだということはいえるだろう。
だから一人一人の人生観が浮き立ち、単なるショーではなく、ドラマとして観ることができるミュージカルだった。
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2009/08/17 (Mon) 14:44



2009/8/15(土)18:00〜
@赤坂ACTシアター
とにかく、まだ見に行ってない人たち!!!
立ち見でもいいから、見にいっておけ!!!
借金してでも、見にいっておけ!!!こんな夢のようなキャスティング、2度と見られません。
オリジナルキャストが3人。
その内、2名は主役の二人。
RENTファンなら、絶対見ておいてほしい今回の舞台。
私が今まで見たミュージカルで、ナンバーワンの舞台でした。
「なんでここで歌いだす?」と突っ込みを入れたくなるミュージカル。
「歌とダンスはお上手。しかし台詞が棒読み・・・・。」なミュージカル。
いろいろ見てきたけど、やっと出会えた。
心が震えるミュージカル!
人物が生きているミュージカル!
舞台からビンビン響いてくるミュージカル!
もうこんな舞台に一生出会えないかもしれない。
これだけ舞台を見てきていると、琴線にふれるような作品に出会うのは希少だ。
このRENTを過去に映画や舞台も数回見てきていて、ストーリーや製作秘話を知ってることもあってか、この作品の良さが一段と顕れたツアーだ。
それもそのはず、初演前のワークショップ公演から参加しているアンソニー・ラップ、初演や映画で出演していたアダム・パスカルらが出ているからだ。
そもそもこの作品が無名だったころ、彼らもまた無名だった。
それがこのミュージカルと共に彼らも世に知られるところとなり、共に成長してきた。
アンソニー・ラップは現在37歳。映画のメイキングで、「やろうと思えば、今でもマーク・コーエンを完璧に演じれる自信がある」と語っていた。
それが実現したのだ。まさかと思った。
年齢を感じさせない声量と動き。
これはアダム・パスカルも同様。
これまでに見たRENTでは気づかなかったアンサンブルの動き一つ一つまで、しっかり目に入ってくる。
今回の演出は、ただ単に群像劇というのではなく、台詞のない小さな人物までもが、生きてる素晴らしいアンサンブルだ。
だからこそ、1幕の「ラ・ボエーム」のナンバーが際立ってみえ、さらに2幕幕開けの一人一人が並ぶシーンが脳裏に焼きつく。
あと、劇場が素晴らしかったのも、今回感激した要因の一つだ。
以前、勤労会館で見た時、大阪でみた時の劇場は大きすぎて、音も響いてこなかった。
音も拡散し、舞台の間口もだだっ広く、凝縮された感じがなかった。
それに引き換え、今回は役者たちの声がマイクなしでも飛んでくるような前列席だったこともあるが、やはり音響と小屋の大きさは、同じ作品をやるにしても印象がずいぶん違ってくるのを目の当たりにした。
今後は少しでもいい席をとることにも少しは努力しようと肝に銘じた。
テーマ : 観劇・劇評 - ジャンル : 学問・文化・芸術
2009/08/05 (Wed) 11:51
久しぶりにテンプレートを変更しました。
以前のは文字が小さくて読みにくいと感じたので、シンプルで文字が読みやすいものにしました。
どうですか?
何かご意見等ありましたら、メールフォームにてお便りください。
テーマ : 観劇・劇評 - ジャンル : 学問・文化・芸術
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